2018年06月10日 [光触媒]
金属を直接外装に適用する例1
金属に何のコーティングも施さず、外装に採用する例は日本人にはステンレスと銅しかなじみがないですがブルネイでは正真正銘の金を使っています。この国王肝いりの有名なモスクのミナレット屋根は金蒸着タイルで外装を施されています。金は安定な貴金属で変褪色には強靱ですが、汚れやすいのが最大の欠点でしょうか、光触媒の出番です。藤原清衡や足利義満も屋根に金を使ってくれていたらこれがもっと早く認識できたとか・・・
これが仕上がり。遠くから見ると平滑な金色ですが至近距離で観察するとタイル目地がわかります。このタイル目地も相まって汚れやすいのですがNFE2の優れた耐水性、耐光性、セルフクリーニング機能&防カビ機能で今後超長期間の美観維持が可能になりました。
日本でのNFE2の展開は当社ですが、ASEANではブルネイ法人のSCTが担っております、成分&性能はまったく同じです。鍵となる高い耐水性は樹脂成分の米国Chemours社(旧デュポン社)製Nafionに依っています。比肩すべき相当樹脂はまだ世界にありません。
・・・しかし日本人の美的感覚からはキンキラキンの金張り屋根は親しみが持てませんね。銅の酸化膜がほどよく形成された緑青色に安らぎを覚える人が大半ではないでしょうか。
ミルテックジャパン社と共同で「酸化した銅の外装を新品に蘇生させる」試薬の開発を進めていまして、博多駅前の黒田武士像台座の一部に試験施工しましたが・・・ありゃりゃあ、私は緑青色のほうが好きだなぁ。
金属そのままはけっこう汚れる、というお話は次回に。