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2018年01月28日 [光触媒]

不思議なシリコーン樹脂の弾力性

シリコーンは古くからある樹脂なのにその特異な性質は興味尽きることがないですねぇ。そもそも「シリコン」というとカチカチの硬い結晶を連想するのに「シリコーン」といえば柔軟性の代名詞ですから。シリコーン
この差はどこから来るのかの詳しいご説明は眠くならない程度に追々させていただきますが、弾力性の要因をかんたんに言いますと「エチレンは手が2本真横に伸びているだけのモノマーしかないが、シリコーンは2本の手が真横と直角に伸びているのと2種類ある」のが決定的な差になります。真横と直角のモノマーがデタラメに縮合しますから生成したポリマーも極端に縮れています。
ポリエチレンは真横に行儀よく並んだ優等生で、見てくれはパスタのようです。
パスタ
それに対して縮れて絡まったシリコーン樹脂は、いわばチキンラーメンです。
チキンラーメン
理論を図解すればこのように・・・
シリコーンの重合
この「縮れ」が引っ張り応力に対する伸びシロの要因となり天然ゴムに似たゴム弾性を生じます。 天然ゴムの主成分であるポリイソプレンもたいそう絡まって縮れた分子構造をしています。だから、シリコーン樹脂のゴム弾性はシリコーンそのものの性質というよりそのポリマー構造に秘密があるのですね。
ビヨーンと伸びきったら元に戻らないポリエチレン(スーパーのレジ袋)に対して、シリコーンは復元力、ゴム弾性がありますから防水・止水性にも非常に優れています。形状記憶ポリマーともいうべきか(豊胸手術のシリコーンバスト)
折に触れてシリコーンの興味深い応用のご経験も披露したいと思っています。

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