2018年01月02日 [光触媒]
鮮やかな色で耐候性を得るにはどうすればよいか!??
お正月なのでおめでたいテーマでひとつ・・・
神社仏閣の丹塗り柱の塗料は、大昔は光明丹(酸化鉛)や辰砂(硫化水銀)から作られていたのですが、希少性と毒性の強さから次第に使われなくなり、最近は酸化鉄系(つまりベンガラ)を組み合わせて似たような色を調合しています。しかし、異種の顔料を組み合わせて色合わせすると、下にもご説明したようにどちらかが先に褪色して色が変わってしまいます。
鮮やかな色を長持ちさせるためには顔料は1種類だけでつかう、色合わせをしない」ということにつきます。つまり原色だけを使うのですね。とくに有機顔料の原色だけを使うと酸化チタン由来の光触媒反応も起こりませんので意外に長持ちします。
日産自動車の赤い看板はこの方法で「鮮やかな真紅でありながら超耐候性を示している」のだそうです。このアイデアは大日本塗料の寺尾元技術本部長から教えて頂きました。