2017年11月13日 [光触媒]
水性塗料は乾くとなぜ濃くなるのか!?
よく「水性は色がノボる」と表現されていて、水性塗料が乾燥すると色が濃くなる現象はこの世界では常識的なのですが「なぜか!?」を知っているヒトは割と少ないです。…説明させてください。
水性塗料の原料樹脂はアクリル、ウレタン、フッ素を問わずすべてエマルジョンと称する乳化状態になっています。牛乳と一緒で親油性の樹脂が乳化剤と混ぜられて水に分散しているのですね。乾くと水が抜けるのでもとの透明に戻ります。つまり樹脂の色は白から透明になる。 これが塗料の中で起こると白い成分がどんどん減っていく現象になります。相対的に着色顔料の比率が上がって濃くなるのですね。
かんたんな実験をやってみました。
上段はアクリルエマルジョン樹脂の乾燥前(右)と乾燥後(左)下段はそれをつかった水性アクリル塗料の乾燥前(右)と乾燥後(左)
アクリルエマルジョン樹脂は乾燥すると完全に透明になりますからこの影響でアクリル塗料も乾燥後はかなり濃くなっています。
水性塗料の本当の色は乾燥しなきゃ判らないので、色合わせにはヘアドライヤーは必須です。