2017年09月18日 [光触媒]
白は可視光も透けるが赤外線はもっと透ける・・・
逆説的な表現ですが、「白」は色ではありません。入射光がすべて乱反射している状態を人間の眼は「白」と認識します。白くなりやすいのは従って「乱反射しやすい顔料」いいかえれば「屈折率の大きな微粒子」ということになります。酸化チタンは(ダイヤモンドを含む)あらゆる鉱物の中で最大の屈折率を持つので白色顔料に選ばれています。
ここでとくに遮熱塗料を施工する上で気をつけなければならないのは「屈折率は波長により変わり、波長に長い赤外線は屈折しにくい」ということです。プリズムでも最も直進に近いスペクトルに位置します。だから、人間の眼つまり可視光では白で完全に下地を隠ぺいしているように思えても、赤外線で見ると透けていることがままあります。・・・これをエッチな目的で使っている人もいますが、ここではまじめな話しかしませんので遮熱塗料の理論に突っ込みます。
つまり、遮熱塗料は、見た目はともかく、「赤外線を効率よく反射させる」ことに最大の存在意義があります。・・・しかし、(波長が長くて屈折&反射しにくい)赤外線を反射させるのは、それも赤外線だけを選択的に反射させるのはけっこう難しい。
このページの結論を言いますと、遮熱塗料の乾燥膜厚は最低100ミクロン必要です。 白いカラー鋼板製の物置やガレージの表面が意外に日射で熱かったりしますが、あれは工業塗装なので膜厚が20−30ミクロンしかありません。つまり「赤外線の眼で見るとスケスケの状態」なのですね。