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2024年09月14日 [光触媒]

光触媒の消毒・殺菌機能はなぜ弱いのか?

題名からしてセンセーショナルなのですが、私だけではなく実際に光触媒の市場化に関わった関係者の本音ですね。そこで私は金属銅との組合わせを考案したのですが、そもそも本来は反応性の高い活性酸素を発生させている光触媒自体を工夫することで解決できないかという問題意識を常に持っていました。
活性酸素種はヒドロキシラジカルとかスーパーオキサイドとか色々確認されていますがすべて超短寿命でいずれは過酸化水素H2O2に変わります。だから消毒・殺菌機能も過酸化水素と比較するのが分かりやすいです、身近なものではオキシドールですね。オキシドール殺菌成分である過酸化水素H2O2の性質をかんたんな表にしてみましょう。表注目すべきは水より少し高いものの沸点が意外に低い141℃であることです、けっこう早く蒸発していくのですね。水中とか閉鎖空間では見落とされがちの性質ですが開放空間で塗膜になっていれば「作っても、作っても蒸発して濃くならない」というジレンマが生じます。表題の問題の本質はそこにあると考えられます。
論文論文や資料等を照会してみると消毒・殺菌機能を十分に得るためには過酸化水素換算で2000ppm以上の濃さが必要ですから、蒸発させずに蓄積するをもつ別の過酸化物の形成が必要です。
このアイデアに従った消毒用途の新製品薬液を今週初出荷しました。まだ特許を出し切っていない現状ですので詳細は後日に詳述しますが、銅や銀等の金属イオンに頼らずにこの性能を十分に発揮するはじめてのコーティング剤だと自負しています。

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