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2021年08月01日 [光触媒]

適材適所の光触媒のお話

酸化チタンばかりが有名な光触媒業界ですが光触媒にはいろいろな種類があり、極論をすれば金属酸化物はだいたい光触媒になります。それらの性能の違いはバンドギャップに主に依存します。・・・これを詳しくやると誰もブログを読んでくれなくなりますのでここでやめますが。
バンドギャップはかんたんには吸う光のエネルギーといえます。そして光エネルギーは波長に依存しますので波長の短い光ほどエネルギーが高くなります。各種光触媒
バンドギャップの大きなチタン酸ストロンチウムは紫外線しか吸いませんが代わりに大きなエネルギーが蓄積しますから水も水素ガスと酸素ガスに分解します。「あれ!??それって酸化チタンの反応では?」と思っているあなた!もう一度ホンダフジシマ効果をよくよく調べてみましょうね。酸化チタンだけでは水は分解せずちゃっかり白金を負極材料に使っています。バンドギャップが予想ほど大きくないのですね。最近専門書が出ましたので詳しくはこちらをご参照ください。光触媒入門
最近は室内光で反応する光触媒が脚光を浴びていますが、これは長波長である可視光でも反応するためバンドギャップはもっと小さくなります。反応エネルギーも当然低いですね、だから「室内光でも反応する」ということは「反応が起こりにくくなる」ということでもあります。実用化するためには微妙な塩梅が重要になるのですね。実際の施工物件をもとにかんたんに解説しております。
だから可視光型光触媒のホープとして脚光を浴びている三酸化タングステンについてもその実用的な反応性を十分に確保させるための一工夫が必要でした。現在は限定的な出荷になっておりますが三酸化タングステンを採用したコーティング液とその施工装置の開発にご協力いただいているコラボ先が抗ウィルス性能のエビデンスを得られました。非常に高い性能が得られましたのでホッと安心しております。尚、開示データは東大の許可を得ておりませんでしたので、後日改めてアップさせていただきたいと思ます。

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