2017年07月26日 [光触媒]
初心に帰り光触媒基礎講義2
実質的なブレークスルーが現れたのが1979年のNature誌で酸化チタンを微粒子で使うことが提案されました。これが現在の光触媒技術の基礎になっています。酸化チタンが従来の陽極(アノード)だけでなく陰極(カソード)としても機能することが明らかにされました。
私見ではこの「田村ー米山提案」は光触媒の実用化の点では「本多ー藤嶋効果」と並び称せられるほど重要な発見だと考えられますが、当時はあまり評価されませんでした。前述のように当時は光触媒の研究が「水素ガスを生成する」という目標だけに絞られていました。この方式ですと酸素ガスと水素ガスの混ざりものが生成されますから、その分離に別のコストがかかってしまします。・・・しかし、現在の光触媒で、水素ガスの生成を目標としている企業技術者なんか誰もいないし、加えてほぼ全員が光触媒を粉体で使っているので、改めてこの提案の重要さが再認識されてもいいと思っています。