2017年07月25日 [光触媒]
初心に帰り光触媒基礎講義1
1967年に有名な本多藤嶋効果が発見されました。水の分解は電気分解による以外には、高温の熱分解しか想定されていませんでしたので「電気も使わずに常温で水が分解している!」という現象はまさに驚天動地の大発見でした。・・・ちなみに高温の熱分解は福島第1発電所の原子炉建屋が吹き飛んだあの現象です。
ただ、(決してケチをつけるわけではなく)少しだけ残念で、課題として残っていたのは
1.陽極に酸化チタンの単結晶(すごく高価)、陰極にプラチナ(これもすごく高価)を採用しているのでプロセス自体が高価
2.酸化チタンは陽極でしかない
3.平板電極反応なので大量生産に向かない
という点でしょうか。以来、夥しい数の研究者がこれらの問題の解決に取り組んできました。半ば成功し、半ば失敗しました。後者を惜しくも言わざるを得ないのは、本来の目的であったはずの「夢のエネルギー媒体である水素ガスを太陽エネルギーで廉価に作る」を達成できなくて終わった点です。・・・これは、まだ地道に研究している方々がおられますので、私が断じるのはおこがましいですが