2019年11月19日 [光触媒]
防錆の基本は水分の遮断です
「生地の鋼材をそのままに光触媒処理を!」という依頼を受けたのですが実用上は鋼材の錆を光触媒で防ぐのは不可能なので防錆クリヤーの開発を行いました。・・・毎度、逆説的な表現で恐縮ですが塗料で鋼材の錆を長期間防ぐことは不可能です。
腐食は水が関与する電気化学反応ですから水がなければ進行せず、水があれば進みます。塗料に使われるような有機ポリマーは網目がユルくて水の分子が楽々と透過できます。逆にガラスは網目が緻密で透過することは理論的にも現実にも不可能です。
飲み残しのペットボトルがいつの間にか痩せているのは、水蒸気が厚いはずのペットの皮膜を通り抜けている証拠ですが、逆に(ガラス質の)ホーロー製品は錆止めプライマーや亜鉛メッキもないのに傷がつかない限り100年以上錆びることがありません。身近な現象の例ですね。
では、有機ポリマーで錆を長期間防ぐには・・・「ガラスに近い緻密な構造を作る」ということになります。この理論で取り急ぎ試作して鋼材片に塗布して飽和塩水に1か月浸漬していました、期待通りの防食性能が出ているようです。
大手鋼材加工メーカーが耐食試験をしていくれることになりましたので試験片も作製して提出しました。
クリヤー塗装で鋼材の腐食を半永久的に止めるなどという性能はこれが有機塗膜では史上初ではないでしょうか。もう、市販の用意はできておりますのでご希望の折にはご連絡ください、販売代理店のご紹介させていただきます。