2019年03月27日 [光触媒]
金属の耐食性30年以上を確保するために
塗装面の変色、褪色、劣化を防止することを主目的とする「耐候性」検討とまったく使う技術が違うのですが「耐食性」は躯体が金属の場合はより重要なテーマです。平たく表現すると「錆びなくする」ということですね。この場合、フッ素とかアクリルシリコンとか樹脂の性能よりも膜厚の確保のほうがはるかに重要になります。・・・・ちなみに明石大橋では250ミクロン以上の重防食!
このビルはアルミパネルの外装でNOxの濃い環境での立地のため耐候性よりも「耐食性」を強く求められました。竣工後36年になりますがアルミの白錆は一切発生していないので胸をなでおろしています。特徴的なエンボスデザインなのですがどの部位でも80ミクロン以上の乾燥膜厚が必須とされて新米研究者の北村が厚膜を安定的に形成できる塗料設計を担当しました。ただ、塗料だけではどうしても鋭角的な出隅(業界用語で「ピン角」)は薄塗になるため、パネルメーカーの日軽金様と打ち合わせて出隅にすべて曲率半径10mm以上の丸みをつけていただきました。専門用語で10Rといいますがヘンな映画の話ではありません。
塗料とデザインのコラボが実際に耐候性や耐食性を向上させるうえで実に重要で、光触媒もその構成要素として使う方法がもっとも面白いので追々ご紹介したいと思います。リクエストもお待ちしています。