2025/02/07
熱線反射機能付きガラス用光触媒クリヤー
ガラス用の光触媒クリヤーとしてはまさに画期的な新製品ですが、日本を磨く会の機関誌「日本磨き合い通心2025年2月号」でさっそく特集として掲載頂きました。会員諸兄のビジネスに役立てて頂ければ光栄です。まだ需要シーズンではないのですが、施工店有志がどんどんテスト施工してくれていますのでありがたいです・・データを積み重ねてより精緻な説明書を作成します。
2025/01/15
特殊なニーズに応じたカスタム光触媒
今月は2種類のカスタム品を出荷しました。シロアリ対策タイプとアルコールで白濁する床ワックスを白濁させないで床面に塗布できる室内用光触媒です。顧客のご要望には今後とも全力で応じられるよう努力します。
2025/01/10
鮮やかな色調の看板に光触媒施工
日本を磨く会の会報「日本を磨き合い通心」1月号で、会員のタマホームサービス社によるドコモショップ看板への光触媒施工が紹介されました。事前に小面積での試験施工で施主の性能確認を得られておりますのでかなり用意周到な施工といえ当社も安心しました。鮮やかな色調のプラスチック面にも外観の変化を与えずに塗装できるのもPRポイントですね
2024/12/26
SIAAの定期試験結果
当社のコラボ先であるSTH社でSIAA認証を取得されていますが、これには信頼性を維持するために定期的な性能チェックがあります。その結果を当社にご報告いただきましたが当然ながら格段にすぐれかつ持続力のある除菌性能が再認識されました。自社で調製したお手盛りサンプルだけでなく抜き打ち検査でももちろん達成できます。抗菌活性値は指数表示なのでちょっと分かりにくいので、その解説も添えましたのでご興味の折には該社までお問い合わせください。
2024/12/16
制菌機能がすぐに実感できる光触媒スプレー
コラボ先のコモチ社が制菌性能を格段に向上させた光触媒スプレーを発売されます。液剤の調製でご協力しましたので当社でも積極的にPRさせていただこうと思います。速乾性を実感できる唯一の光触媒でもありますのでご興味の折にはコモチ社までご連絡ください。
2025/02/09
金属チタンはそもそも撥水性がすごい
1991年の日経アーキテクチュア誌に「金属チタン板を外装に採用した養命酒本社ビルがその予想外の汚染の進行で数ヶ月に一度は洗浄せねばならない事態に悩まされている」という記事があり耐候性1000年以上の外装材にも思わぬ落とし穴があるものだと感心していましたが、これは酸化チタンの光触媒としてのセルフクリーニング機能を知る前のことでした。よくよく調べて見ると究極の耐候性を求められる建造物でけっこう広く採用されています。最近話題のフジテレビ本社ビルの球体部分も金属チタンですが拡大画像で確認するまでもなくすごく汚れていますね。しかし、金属チタンが典型的なバルブメタルに属しますので表面に安定な酸化チタンの薄膜が生成してそれがこの超耐候性を生み出しているはずなのですが、あれ??酸化チタンは光触媒でもあり、超親水性で有名ではなかったか?? 金属チタンの表面を加熱しようがどうしようが撥水性のままで、これを親水性にするためには表面に光触媒酸化チタンコーティング剤を改めて塗布するしかありませんでした。つまり親水性を得るにはある程度の酸化チタン層の厚みが必要だという証左ではないかと私は考えました。光触媒でもある酸化チタンの親水性については諸説あるもののまだ定説はありませんが、もっとも有力な説としては表面の酸化チタン結合Ti-Oが水酸化チタンTi−OHになるからだとされています。それに対して私は以前から光触媒反応生成物である活性酸素H2O2等が蓄積されてそれが親水性を醸し出しているのではないかという自説を唱えていました。厚みが親水性の現出に必要だという事実は後者の正当性を裏付けていると最近確信しています。もう繰り返しご説明してきましたがセルフクリーニング機能は親水性に正確に比例しますので「光触媒層は一定以上の膜厚が必要である」という結論に結びつきます。
2025/01/09
ガルバリウム鋼板の本質と塗装・施工のポイント
ガルバリウム鋼板との関わりは駆け出しサラリーマン研究者のときからですのでもう40年以上になります。亜鉛とアルミニウムの合金メッキなのですが比重差を考えるとほぼアルミニウムメッキですね。画期的な耐食性を示すメッキ鋼板で著名ですが、その原理を理解しているヒトはまだ少数派のようです。ChatGPTも知らないようですので私が解説させていただきます。亜鉛メッキ鋼板の防錆は犠牲陽極反応に拠っているのですが、下の表のように電位の比較では犠牲陽極は亜鉛よりもアルミニウムやマグネシウムのほうがこのましいことが分かります。マグネシウムは理論通りに犠牲陽極としても採用されていますがアルミニウムはそのままでは犠牲陽極にはならないのは、表面にすぐ絶縁性の酸化アルミニウム層が形成されるからです。人為的にする工程を「アルマイト加工」といいます。亜鉛と合金にすることによりその酸化アルミニウム層が形成されにくくなり、本来の犠牲陽極としての性能が発揮されているので単なる亜鉛メッキより段違いに耐食性があると考えるのがもっとも合理的だと考えられます。ただ、だいたいのガルバリウム鋼板は表面にアクリルシリコンやポリエステル焼付け塗装が施されているので光触媒をガルバリウム鋼板に塗布するといっても現実には表層であるアクリルシリコンやポリエステルに塗布することになるので深く悩む必要はなく、たんに焼付け鋼板に光触媒を塗布すると考えて頂いて差し支えないです。むしろ光触媒よりも仕上げ施工や通常の塗装で細心の注意を要するのは「端部処理」です。むき出しの端部に水分が滞留すると亜鉛-鉄間よりももっと激烈な発錆反応が生じますので膨大な錆が発生します。むき出しの端部を絶対に作ってはいけません。端部は必ず分厚く塗装するか少なくともハゼ折り加工をする必要があります。
2024/12/22
ジンクリッチペイントの原理と注意点
金属亜鉛の犠牲陽極作用を利用して鉄鋼の錆を防ぐ「ジンクリッチペイント」をプライマーとして採用されていることが最近多いのですが、注意点をいくつか指摘させていただきたいと思います。ジンクリッチペイントは金属亜鉛メッキの代用として使われるものですから、本来は亜鉛粉100%で構成されるべきなのですが、そうすると塗料になりませんので微量の樹脂が添加されています。下はもっとも有名はローバルという製品のSDS抜粋です。樹脂成分が企業秘密として記載されていませんが、揮発してなくなってしまう溶剤成分を引くと亜鉛粉70〜75%(重量日)に対して樹脂は0.5%程度になります。これは無理からぬことで、亜鉛の粒子間では防食効果をえるために金属導電性が確保されていなければなりません。そのためには亜鉛粒子間が接触していることが必要です。途切れていると間に電気を通さない樹脂が入って防食機能がまるでなくなってしまいます。比重1.2程度の樹脂がちょびっとある溶液に中に比重7.2の亜鉛粉が分散しているので、これはたいへん沈降しやすい塗料であることが分かります。使用前はもちろん、使用中にも耐えず攪拌し続けなければ本来の性能が得られません。常に乾燥塗膜が上の図のBになることが必要なのですね。さらに絶対に必要な項目があります。それは鋼材の間とも「完全な金属導電性」を確保しなければならないという点です、これを見落として施工されている場合が実に多いです。具体的には塗布する前の鋼材をピカピカの金属光沢が得られるほどの状態にしなければならないということで、2種ケレン以上になります。これだけでけっこう本番の塗装以上のコストがかかりそうですね。ジンクリッチペイントは上の2条件を厳密に守って施工しないと亜鉛メッキ並の防食効果が得られないです。ところで当社では現在、バインダーにナフィオンを採用して防食性能を大幅に改善させるジンクリッチペイントを開発中ですので近々また新製品としてご報告できると思います。
2024/11/10
光触媒効果に即効性を持たせるには
この9月と2019年にこのテーマでちょっと触れましたが今般はその詳述偏です、ChatGPTでは得られない情報を心がけています。光触媒はエポキシやウレタン等の樹脂を易々と分解することはもうご紹介しましたが、それは数年にわたる長期間をかけてのことです。我々が期待する光触媒効果は分単位や秒単位で発現することを前提にしています。それを実現するには発生した活性酸素を蓄積する工夫が必要ですね。ここで「光触媒反応は我々が期待したほど強くはない」という欠点が利点になることが分かってきました。光触媒の性能を評価する指標として「メチレンブルー分解活性値」がよく用いられますが、これも正確にはメチレンブルーは分解している訳ではなく、ラジカルの還元を受けて無色のロイコ体に変化しているだけですね。たとえば光触媒でエタノールはけっこうかんたんに酢酸へと酸化されますが、反応の終着駅である炭酸ガスと水にはなかなかなりません。酸化力は(短期的には)そこまで強くない証拠です。でも逆に見ますと酢酸の先の破線で示した中間体には変化しますので、この中間体を工夫することで活性酸素を蓄積させる事が可能です。すべて瞬時に炭酸ガスと水になってしまったら活性酸素特性の工夫のしようがありませんからこれは大きな利点です・・・実用化に向けてより詳しく知りたい方々には個別に続きを開示します。
2024/10/14
水性塗料は乾燥すると色が濃くなる
これは塗装業界ではよく知られた現象ですが案外「なぜなのか?」を知らないヒトが多いです。かんたんにはもう2017年11月13日に解説させていただいていますが頻繁に問われることが多いので、今般はその応用編として解説します。水性塗料の樹脂はエマルジョンという状態で、水の中に樹脂の細かい粒が分散されています。水の屈折率(n=1.33)と樹脂の屈折率(たとえばアクリル樹脂はn=1.50)にけっこうな差があるので光が界面で散乱や反射するので、見た目に白く見えます。これが乾燥すると樹脂の粒の間隙を埋めていた水分がなくなって樹脂が一体化して散乱や反射をしなくなるので見た目は透明になります。これが「色が濃くなる」現象の主因というか唯一の原因ですね。ところで、同じ水性塗料の同じような色でもこの「濃くなる現象」に差があります。樹脂に対する顔料の比率が高いときや、ズバリ樹脂の濃度が薄い場合にはこの現象は穏やかになります。樹脂の濃度や比率が低い、ということは耐候性が低下することとほぼ同義ですので、この現象が穏やかな水性塗料は耐候性があまりよくないことに繋がります。
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