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2024年02月10日 [光触媒]
超促進耐候性試験機メタルウェザー
当社の最重要コラボ先である協立技研株式会社がこのたび超促進耐候性試験機であるメタルウェザーを導入されました。純粋な施工会社としては世界初の例です(メーカー調べ)。空調完備の専用ルームも用意する必要があり相当な投資ですので導入に深くかかわった北村もこれからの運用で渾身のサポートをさせていただこうと考えております。一般的な促進耐候性試験機として有名なサンシャインウェザーメーターは時間が掛かるわりに自然曝露との相関が薄いという問題点を抱えていますがこのメタルウェザーは「無機顔料を含んだプラスチック」に限ってはほぼ正確でかつ促進性の高い耐候性予測ができるとされています。一説によれば3ヶ月でほぼ10年相当の自然曝露の再現が可能であると考えられています。ところで無機顔料はほぼすべて金属酸化物で、これらは光励起される半導体つまり「光触媒」として機能します。有名な酸化チタンだけではないのですね。だからこれらを含んだ塗料は劣化の主原因が光触媒反応です、単純な紫外線による光分解ではありません。従って塗膜の耐候性試験は強い(つまり短波長の)UV光を当てるだけでは促進されませんし、かえって自然界では起こらないような劣化現象になります。つまり370nm付近の、光触媒反応に最適な波長の近UV光を潤沢に浴びさせる環境が理想的なのですが、この試験機に採用されているメタルハライドランプはまさに理想的な波長分布をしていますね。蛇足ですが顔料を含まない透明なプラスチックの白濁劣化、木材の日焼けやタイヤの亀裂等は一般にUV-Bと称せられる短波長UVの仕業であるとされていますので逆にこの試験機では十分な促進効果はえられないと思われます。対象物により促進耐候試験機も使い分けが重要です。