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2022年05月05日 [光触媒]

フッ素樹脂&フッ素化合物の将来(SDGsの視点から)

当社の光触媒コーティング剤はフッ素樹脂を採用していますので、最近はSDGsやPFOA規制の面から「使い続けて大丈夫なの?」というお問い合わせをけっこう頂戴しています。結論として「大丈夫です」とお答えしていますが、ここでフッ素にまつわるトピックを交えてかんたんに冷静にご説明したいと思います。
我々の身の回りの製品にも知らないうちにフッ素を含むものやフッ素を製造工程で必要とするものが大量に関わっています、ちょっと挙げるだけでも・・・・フッ素製品あえて画像には入れていませんが我々が日常飲むお茶の中にもけっこう高濃度で含まれています。「お茶を好む人は歯が丈夫」と昔から言われているのはこのせいですね。
CO2削減のトピック時もご説明しましたが、実際のCO2排出の主たる原因は発電やガソリンではなくコンクリートや鉄鋼の製造なので表層を見るだけでは判断できないという好例でしょう。
SDGsの面からはフッ素樹脂やフッ素化合物は自然に分解しにくい性質を問題視されているのですが、たとえばキッチンまわりを見渡してみましょう。キッチン実はフライパンのテフロン加工だけでなくクッキングシートに染み込ませてあるシリコーン樹脂や包装フィルムのサランラップも人間が考え出した化学結合と化合物なので同様に自然は分解方法をまだ知らなく、そのまま放置すれば1000年経っても残ります。フッ素樹脂&化合物だけではない問題ですね。人工まぁ、つい最近まで我々科学者は超長期間の耐久性を求められてきましたので、世の中が急に「数年程度で分解して土に還らないといけないんだ!」と言い出して戸惑っている事情も大いにありますが、本質的な解決としては、大量消費されている分野からリサイクルシステムを整備することだと思われます、使用をやめると江戸時代の生活を覚悟しなければならないのですから。
フッ素樹脂自体の危険性を危ぶまれているPFOAやPFOS規制に関してもちょっと議論が感情的にエキサイトしすぎているきらいがあると思われます。歯磨きやお茶に含まれる天然の無機フッ素化合物と異なり、バリバリの有機フッ素化合物でなんと「人造血液」を作って一部実用化した例があります。人造血液外科手術の技術向上で輸血の必要性が低下したことから普及はしませんでしたが、このパーフルオロデカリンは健康被害がまったくなく機能して、今でもシワ延ばし美容液の成分として広く採用されています、「美の追求はPFOSを超える!」といったところでしょうか。我々の採用しているフッ素樹脂ナフィオンも構造はパーフルオロデカリンとおなじ部類で、分子量も人体に吸収不可能なほど大きいためPFOS規制にはまったく抵触しないと考えいます。
とはいえEUを震源地としてフッ素への風当たりが今後強まることも予想されますので、当社としてはナフィオンに代わる非フッ素系バインダーの実用化にもほぼ目途を付けております。追々ご紹介しますのでご期待ください。

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