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2019年05月21日 [光触媒]
船底塗料に光触媒は応用できるか!?
以前からしつこく食い下がってきたテーマですがなかなか進展しなかったのは耐摩耗性の不足によるものでした。
現状の船底塗料は有機スズの使用禁止以降「亜酸化銅」が専ら採用されています。フジツボ等の動物系生物にはどうも通常のCu2+が効かず、1価のCu+が効くことによります。まさか「光触媒はそれにもまして万能です!などと根拠の薄い主張をするつもりはありませんが・・・亜酸化銅はCu+を発生させるほとんど唯一の化合物ですが難点は水への溶解度が低い。従ってほとんどは無駄な、たんなる赤い顔料で終わってしまいます。そこで金属銅を代わりに含ませて、光触媒の活性酸素でそれを徐々に溶かせてCu→Cu+→Cu2+の経路を辿らせようというのが基本原理なのですが実際の海水に長期間浸漬試験をせねばなりません。今回酸化チタンメーカーの雄であるテイカ社の全面的なご協力を得ました。海水に浸漬する試験は潮の満ち引きが最大の問題ですが、該社の取水口は調整されていますのでその懸念がありません。・・・栄養満点の海水っぽいので期待できますね!ところで、真水中の光触媒のアノード反応は酸素発生だけなのですが、海水中では塩素発生も期待できます。酸素発生と塩素発生は電位が似ていてだいたい競争反応になるのですが過去の文献をちょっと探した範囲では、こんな酔狂な実験をしている人はいないようでした。いずれにせよ面白いご報告ができると思います。
現状の船底塗料は有機スズの使用禁止以降「亜酸化銅」が専ら採用されています。フジツボ等の動物系生物にはどうも通常のCu2+が効かず、1価のCu+が効くことによります。まさか「光触媒はそれにもまして万能です!などと根拠の薄い主張をするつもりはありませんが・・・亜酸化銅はCu+を発生させるほとんど唯一の化合物ですが難点は水への溶解度が低い。従ってほとんどは無駄な、たんなる赤い顔料で終わってしまいます。そこで金属銅を代わりに含ませて、光触媒の活性酸素でそれを徐々に溶かせてCu→Cu+→Cu2+の経路を辿らせようというのが基本原理なのですが実際の海水に長期間浸漬試験をせねばなりません。今回酸化チタンメーカーの雄であるテイカ社の全面的なご協力を得ました。海水に浸漬する試験は潮の満ち引きが最大の問題ですが、該社の取水口は調整されていますのでその懸念がありません。・・・栄養満点の海水っぽいので期待できますね!ところで、真水中の光触媒のアノード反応は酸素発生だけなのですが、海水中では塩素発生も期待できます。酸素発生と塩素発生は電位が似ていてだいたい競争反応になるのですが過去の文献をちょっと探した範囲では、こんな酔狂な実験をしている人はいないようでした。いずれにせよ面白いご報告ができると思います。